欧米人には肥満が多いというイメージがあります。
しかし、現代の日本も他人事ではないようです。
20歳以上の日本人の約70%が日ごろ運動する習慣がなく、30代以上の日本人男性の3人に1人がBMI25以上の肥満であるというデータがあるのです。
結局、肥満になる理由は、運動不足と食事の欧米化ではないでしょうか。
このままでは、日本も肥満大国になっているかもしれません。
おそらく欧米化された食事を和食中心にすることや、脂っこい食事を減らすことなどは、自己管理でどうにかなるでしょう。
しかし、運動となるとそう簡単ではありません。
仕事やら家事などで、日々忙しく運動をしている時間などない人が多いのではないでしょうか。
しかし、1回のトレーニングを短時間で済ますことができ、さらには効率的に脂肪を燃やすことができるトレーニング方法があるのです。
20秒間ハードなトレーニングをして、10秒間休む。
これを8回繰り返すだけで、トレーニング時間は4分です。
今回は、1回4分で効率的に脂肪を燃やすことができるインターバルトレーニングについて紹介したいと思います。
脂肪がつく理由
脂肪はお腹、お尻、太もも、二の腕などに付くのはもちろんですが、腸や肝臓など内臓にも付いてしまいます。
当然、脂肪が増えれば体重は増え、健康に害を及ぼすことになります。
では、なぜ身体に脂肪がついてしまうのでしょうか?
それは、人類の歴史を遡ることで答えがあるようです。
現代はお腹がいっぱいになるほど食べることができますが、それが可能になったのはここ50年くらいなものです。
昔から人類は飢餓状態が当たり前でした。
すなわち、人類は食べれないことが当たり前なので、余計なエネルギーを使わないよう脂肪として貯めることができるようになっているのです。
その機能が現代の日本人にもある為、余計に摂取したエネルギーを脂肪細胞にどんどん溜めこんでしまうのです。
よって、現代の日本は肥満が増えてきていると推測されます。
インターバルトレーニングとは?
そもそもインターバルトレーニングとは、不完全回復を挟みながら中~高強度の運動を繰り返すトレーニング方法とされています。
簡単にいうと、激しい運動と軽い運動を繰り返し行うトレーニングです。
今回紹介するのは、HIIT(High Intensity Interval Training)といい、高強度のトレーニングを取り入れ、短時間で脂肪を燃やすことができるトレーニングです。
インターバルトレーニングの進化系とも呼ばれています。
インターバルトレーニングの有名なものに、TABATAトレーニング(TABATAプロトコル)があります。
これは、20秒間高強度の運動をし、10秒間休むことを8セット行うというもので、世界的に有名なトレーニング方法です。
そもそも日本のスピードスケート選手を強化するために開発されたとされています。
HIITというのは、有酸素運動と無酸素運動の要素がミックスされ、効率的に脂肪燃焼や肉体改造ができるよう開発されたトレーニング方法なのです。
HIITの驚くべき効果
HIITを行うことで次の4つの効果が期待できます。
ランニングや筋肉トレーニングの2倍以上のエネルギー消費
ランニングや筋トレの消費エネルギーの数値と、HIITの消費エネルギーを算出すると約2倍HIITが多いことが分かりました。
当然、同じ時間内での消費エネルギー量です。
すなわち、同じ時間トレーニングに費やすなら、HIITを行った方が効率的にエネルギーを消費させることができるということです。
しかも、HIITは1回4分で、トレーニングすることができます。
まさしく時間がない現代人にとって理想なトレーニング方法だといえます。
また、HIITは体脂肪の燃焼を促進する成長ホルモンの分泌を活発にする効果が期待できるので、脂肪が燃えやすい身体を作ることができます。
トレーニング後もエネルギー消費する
HIITをすることで、トレーニング後(24~48時間)も脂肪が分解され続けることが分かっています。
これは、運動後過剰エネルギー消費と呼ばれるもので、HIITなどある程度強度の高いトレーニングをすることで得られる効果です。
ジョギングなど軽めの運動では得られない効果なので、いかにHIITが効率的、効果的なトレーニング方法であるか分かると思います。
ただ、身体が確実に追い込まれた状態にならなければ、得られない効果ですので高い意識が必要です。
身体が疲れなくなる
HIITには心肺機能を高める効果があります。
心肺機能とは、全身に血液や栄養を巡らせる機能や、血中の酸素と二酸化炭素を交換する機能のことです。
この心肺機能が低下すると、少し運動しただけでもしんどく感じてしまいます。
当然、しんどいのあれば運動などしなくなり、余計に脂肪が燃焼しない身体になっていってしまうのです。
運動をすることで、筋肉への血流量を増やすことができ、その運動の強度が強いほど増すことが分かっています。
さらに、血流が増すことで毛細血管の発達が促され、筋肉はより多くの栄養や酸素を受け取ることができるようになるのです。
すなわち、体力や持久力向上につながり、疲れにくい身体を作ることができるのです。
老化による筋力、体力の低下を防ぐ
ロコモティブシンドローム(運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態)にならないために、HIITが効果的です。
高齢になるにつれ、転倒、骨折、寝たきりになるリスクは上がります。
それは、加齢に伴い、筋力、体力が落ちていくからです。
年を取ってからでは十分な運動ができないので、動けるうちにHIITで運動をし予防しておくことが望ましいでしょう。
自宅でできるパンダ厳選HIITトレーニング
基本的なHIITは20秒間運動をやり、10秒間休憩をする。これを8セット続けるというものです。
これは、あくまでも基本であり、運動初心者の方は4セットでチャレンジしてもよいそうです。
また、筋トレ中級者以上は、8セットを数回繰り返しトレーニングすることでより身体を追い込むことができます。
HIITは特別決まったトレーニングというものはありません。
自分が好きなトレーニングや鍛えたい部位を、重点的にやっても問題ありません。
ただ、身体を追い込むことができなければ意味が薄れてしまいます。
そこで、わたくしパンダが厳選したトレーニングを紹介します。
このメニューさえやっていれば、全身が鍛えられるようになっているのでチャレンジしてみてください。
バーピー
動画を参照
鍛えられる筋肉 | 腸腰筋、ハムストリングス、大殿筋 |
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- 足を肩幅に開き、背筋を伸ばし直立する。
- 上半身のみを前方に倒し、手のひらを床に付く。
- 足を後方に伸ばし、腕立て伏せの体勢になる。
- 素早く①の体勢に戻す。
- この動作をテンポ良く繰り返す。
レスラープッシュアップ
鍛えられる筋肉 | 大胸筋、三角筋、上腕三頭筋 |
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- 通常のプッシュアップの体勢にする。
- 腰を上げ、足を広げる。
- 腕を曲げ、顔を床すれすれまで下ろす。
- 流れを止めないまま、上体を反らし顔を上げる。
- この動作を繰り返し行います。
バックエクステンション
鍛えられる筋肉 | 脊柱起立筋、僧帽筋、広背筋 |
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- 床にうつ伏せになり、両腕を頭付近にキープする。
- 脚は軽く広げる。
- 上体を反らし、頭は前を向く。
- この動作を繰り返し行います。
Vシット
鍛えられる筋肉 | 腹直筋、腸腰筋 |
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- 床に仰向けに寝そべり、足を揃える。
- 腕を上げ、万歳スタイルをとる。
- 上半身と下半身を同時に上げる。
- 手の先とつま先をタッチする。
- この動作を繰り返し行います。
スクワットジャンプ
動画を参照
鍛えられる筋肉 | 大腿四頭筋、ハムストリングス、大殿筋 |
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- 足を肩幅に開き、両腕を頭上に上げ直立する。
- 両腕を勢いよく振り下ろながら深くしゃがむ。
- 腕を一気に振り上げ高くジャンプする。
- この動作を繰り返す。
クラッピングプッシュアップ
- 通常のプッシュアップのフィニッシュポジションの姿勢をとる。
- 床を強く押し、上体を宙に浮かせる。
- 体が浮いている間に手を叩く。
- 瞬間的に叩いた手を床につき体勢を整える。
- この動作を繰り返し行います。
パイクプッシュアップ
鍛えられる筋肉 | 三角筋、僧帽筋 |
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- 通常のプッシュアップの姿勢をつくる。
- そのままお尻を上に突き出し、腕と足との距離を縮める。(床についた手と足、突き上げたお尻が三角形になるように)
- 腕と脚は、伸ばした状態にする。
- 肘を曲げ、頭が床につくくらい下ろす。
- この動作を繰り返し行います。
ツイストシットアップ
動画を参照
鍛えられる筋肉 | 腹斜筋、腹直筋、腸腰筋 |
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- 仰向けの状態で床に寝る。
- 膝を約90度に曲げ、腕は胸の前でクロスさせる。
- 上半身を斜めにひねりながら起こす。
- 限界まで、上半身をひねる。
- この動作を繰り返す。